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GoでXMLのCDATAにXMLを埋め込む

2024-04-25

Goxml

はじめに

Go で XML の CDATA を使う際に、CDATA に文字列などのデータを埋め込むことは簡単です。しかし、 CDATA に XML などのネストした構造体のデータを埋め込む場合は少し工夫が必要です。

愚直に CDATA を構造体として定義して Marshal すると、思った通りに CDATA 以下の XML が出力されないことがあります。

その際のアプローチとしては、以下の方法があります。

本記事では、encoding パッケージの TextMarshaler インターフェースを実装して、CDATA に XML を埋め込む方法について紹介します。

前提

この記事内では、以下のバージョンで動作を確認しています。

CDATA とは

CDATASection インターフェースは CDATA セクションを表します。これにより、XML 内でエスケープされていないテキストの拡張部分を入れることができます。 CDATA セクションの内部では、記号 < と & は通常のようにエスケープする必要がありません。

ref. CDATASection | MDN Web Docs

とあるように CDATA は XML の一部で、エスケープされていないテキストを記述するためのものです。CDATA は、<![CDATA[ で始まり、]]> で終わります。 以下は CDATA を持つ XML の例です。

<!xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<root>
  <![CDATA[
      ここにはエスケープされていないテキストが入ります。
      <hoge>hoge</hoge>
  ]]>
</root>

愚直に xml タグを付けた構造体を定義して Marshal する

愚直に cdata を構造体として定義して、Marshal します。 ここでは CDATA 内の XML を表す構造体を Inner とし、それを CDATA として扱う Root 構造体を定義します。

type Inner struct {
	Field1 string `xml:"field1"`
	Field2 int    `xml:"field2"`
}

type Root struct {
	XMLName xml.Name `xml:"root"`
	CData   Inner    `xml:",cdata"`
}

func main() {
	outerData := Root{
		CData: Inner{Field1: "example", Field2: 123},
	}

	output, err := xml.MarshalIndent(outerData, "", "  ")
	if err != nil {
		fmt.Printf("error: %v\n", err)
		return
	}

	fmt.Println(string(output))
}

上記のコードを実行すると、以下のような XML が出力されます。

<root></root>

CDATA が出力されることを期待したコードになっていますが、実際に Marshal を行っても CDATA 以下のデータが出力されません。 これは、 encoding/xml パッケージが cdata タグがあるものは文字列として扱い、ネストした構造体は Marshal されず、スキップされるためです。

a field with tag “,cdata” is written as character data wrapped in one or more tags, not as an XML element.

ref. encofing/xml | pkg.go.dev

そのため、CDATA に XML を埋め込むためには、ネストした構造体に encoding パッケージの TextMarshaler インターフェースを実装する必要があります。

TextMarshaler インターフェースを実装して Marshal する

a field implementing encoding.TextMarshaler is written by encoding the result of its MarshalText method as text.

ref. encofing/xml | pkg.go.dev

encoding/xml パッケージでは、encoding.TextMarshaler インターフェースを実装することで、CDATA に MarshalText で返却されたデータを埋め込むことができます。

以下は、TextMarshaler インターフェースを実装した例です。

type Inner struct {
	Field1 string `xml:"field1"`
	Field2 int    `xml:"field2"`
}

func (i Inner) MarshalText() ([]byte, error) {
	type inner Inner // 再帰的な呼び出しを避けるために型を定義
	output, err := xml.Marshal((*inner)(&i))
	if err != nil {
		return nil, err
	}

	return output, nil
}

type Root struct {
	XMLName xml.Name `xml:"root"`
	CData   Inner    `xml:",cdata"`
}

func main() {
	outerData := Root{
		CData: Inner{Field1: "example", Field2: 123},
	}

	output, err := xml.MarshalIndent(outerData, "", "  ")
	if err != nil {
		panic(err)
	}

	fmt.Println(string(output))
}

注意点として、TextMarshaler インターフェースを実装する際に、再帰的な呼び出しを避けるために、Inner 型を inner 型に変換して xml.Marshal に渡しています。

上記のコードを実行すると、期待した通りの XML が出力されました。

<root><![CDATA[<inner><field1>example</field1><field2>123</field2></inner>]]></root>

寄り道

実際に Go の encoding/xml パッケージのソースコードを見てみると、TextMarshaler が実装されている場合に MarshalText が呼ばれることがわかります。

if vf.CanInterface() && vf.Type().Implements(textMarshalerType) {
	data, err := vf.Interface().(encoding.TextMarshaler).MarshalText()
	if err != nil {
		return err
	}
	if err := emit(p, data); err != nil {
		return err
	}
	continue
}
// ...

ref: src/encoding/xml/marshal.go;l=855-877

これは CDATA に限った仕組みではなく、XML のエンコード時に TextMarshaler インターフェースを実装した場合に、MarshalText が呼ばれるようになっています。 そのため、通常の XML のエンコード時にも TextMarshaler インターフェースを実装することで、カスタムなエンコード処理を行うことができます。

おわりに

本記事では、Go で XML の CDATA に XML を埋め込む方法について紹介しました。TextMarshaler インターフェースを実装することで、CDATA に XML やその他フォーマットのデータも埋め込むことも可能です。

本記事において、異なっている説明や表現がありましたらご連絡ください。

参考